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家の売却における前面道路の重要度は?価格への影響や取引時の注意点も詳しく解説

不動産情報・知識・アドバイス

松本 親幸

筆者 松本 親幸

不動産キャリア27年

㈱フォローウィンドコーポレーションの
別称:大阪空き家・長屋買取センターです!

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家を売ろうと考えたとき、まず気になるのは「どれくらいの価格で売れるのか」という点ではないでしょうか。しかし、家の売却価格には、土地の広さや築年数といった分かりやすい項目だけではなく、「前面道路」の状況が大きく影響します。普段あまり意識しない道路ですが、その幅や種類、方位によって、家の価値や売れるスピードが変わることもあります。本記事では、家の売却を成功させるために知っておきたい「前面道路」の重要なポイントを詳しく解説します。



前面道路の幅員が売却価格に与える影響

家を売却する際、前面道路の幅員は売却価格に大きな影響を及ぼします。幅員が広い場合と狭い場合、それぞれのメリットとデメリットを理解することが重要です。

まず、前面道路の幅員が広い場合のメリットを見てみましょう。



  • 建物の配置の自由度が高くなります。広い道路に面していることで、建物の配置に柔軟性が増し、設計の自由度が上がります。
  • 景観や環境に調和した配置が可能になります。建物の位置を調整することで、日当たりや風通しの良さを最大限に活かすことができます。
  • 庭や駐車スペースの確保が容易になります。敷地内のプランニングに余裕が生まれ、庭や駐車場の設置など住環境の質が向上します。
  • 車の出入りや駐車時の取り回しがしやすくなります。道路の広さはそのまま車の出入りの難易度につながり、建物の価値や魅力も向上する可能性があります。
  • 建物が適切な距離を確保できます。建物が適切な距離を確保していることで、景観に調和し、プライバシーや防音効果も向上します。

一方、前面道路の幅員が狭い場合のデメリットとして、以下の点が挙げられます。

  • 建築制限が課せられる可能性があります。前面道路の幅員が狭い場合、容積率や道路斜線制限によって建物の高さや容積が制限される可能性があります。
  • セットバックが必要になる場合があります。前面道路の幅員が4m未満の場合、道路の中心線から2m以上後退させるセットバックが必要となり、敷地面積が減少します。
  • 防災面での不安や使い勝手の悪さがあります。幅が狭いと車両の通行がしづらく、普段の外出時に不便を感じる点もデメリットの一つです。

さらに、前面道路の幅員は建築制限にも関係します。例えば、前面道路の幅員が12m未満の場合、容積率は前面道路の幅員(m)に地域区分ごとの数値を乗じたもの以下でなければなりません。



地域区分 前面道路幅員に乗じる数値
第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域 40%
第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域、準住居地域 40%(特定行政庁が指定する区域では60%)
その他 60%(特定行政庁が指定する区域では40%又は80%)

例えば、第一種低層住居専用地域で、指定容積率が200%の土地の前面道路の幅員が4.5mの場合、基準容積率は4.5m×40%=180%となります。指定容積率は200%であっても、容積率は厳しい数値のものが適用されるため、この土地の容積率は180%以下になります。

このように、前面道路の幅員は売却価格や建築制限に直接影響を及ぼします。売却を検討する際には、前面道路の状況を正確に把握し、適切な価格設定や戦略を立てることが重要です。

前面道路の種類とその影響

家を売却する際、前面道路の種類は売却価格や買主の関心度に大きく影響します。ここでは、公道と私道の違い、それぞれの売却時の注意点、私道の場合の使用承諾や維持管理費用の確認ポイント、そして前面道路が袋小路の場合のデメリットと対策について詳しく解説します。



公道と私道の違いと、それぞれの売却時の注意点

前面道路が公道か私道かによって、売却時の対応が異なります。

道路の種類 特徴 売却時の注意点
公道 国や自治体が管理する道路で、誰でも自由に通行可能。 特別な手続きは不要だが、道路幅や接道状況を確認し、建築基準法の接道義務を満たしているか確認が必要。
私道 個人や法人が所有・管理する道路で、通行や工事には所有者の許可が必要。 通行権や掘削承諾の有無、維持管理費用の負担状況を明確にし、買主に説明する必要がある。

私道の場合の使用承諾や維持管理費用の確認ポイント

私道に面した物件を売却する際、以下の点を確認し、買主に伝えることが重要です。

  • 通行権の確認:私道の所有者から通行の許可(通行地役権)を得ているか確認し、書面で証明できるようにしておきます。
  • 掘削承諾の取得:将来的な建物の建て替えやインフラ工事の際、私道の掘削が必要になる場合があります。事前に私道所有者から掘削の承諾を得ておくと、買主の不安を軽減できます。
  • 維持管理費用の明確化:私道の維持管理にかかる費用や、共有者間での費用負担の取り決めを明確にし、買主に伝えることで、将来的なトラブルを防ぐことができます。

前面道路が袋小路の場合の売却時のデメリットと対策

前面道路が袋小路(行き止まり)の場合、以下のデメリットが考えられます。


  • 避難経路の制限:災害時の避難経路が限られるため、安全面での懸念が生じます。
  • 車の出入りの不便さ:車の転回スペースが限られ、駐車や出庫が困難になることがあります。
  • 近隣関係の密接化:袋小路内の住民同士の関係が密接になりやすく、プライバシーの確保が難しくなる場合があります。

これらのデメリットに対する対策として、以下の点が挙げられます。

  • 安全対策の強化:防災設備の充実や避難計画の策定を行い、安全性をアピールします。
  • 駐車スペースの工夫:敷地内に十分な駐車スペースを確保し、車の出入りがスムーズに行えるようにします。
  • 近隣関係の良好化:良好な近隣関係を築くことで、住環境の魅力を高め、買主に安心感を与えます。

前面道路の種類や状況は、物件の価値や売却のしやすさに直結します。売却を検討する際は、これらのポイントをしっかりと確認し、適切な対応を行うことが重要です。

前面道路の方位と日当たりの関係

家の売却を検討する際、前面道路の方位は日当たりに大きく影響し、結果として売却価格にも関わってきます。ここでは、各方位の特徴とそのメリット・デメリット、さらに売却価格への影響について詳しく解説します。


南側道路、北側道路、東側道路、西側道路それぞれの特徴とメリット・デメリット

前面道路の方位によって、住宅の住み心地や資産価値が変わります。以下に各方位の特徴をまとめました。

方位 特徴 メリット・デメリット
南側道路 1日を通して日当たりが良好
  • メリット:明るく暖かい室内環境、資産価値が高い
  • デメリット:夏場は室温が上がりやすい、プライバシー確保が難しい場合がある
北側道路 日当たりが制限される
  • メリット:夏場は涼しく過ごせる、プライバシーが保たれやすい
  • デメリット:冬場は寒く、湿気がこもりやすい
東側道路 午前中の日当たりが良好
  • メリット:朝日を取り入れやすく、爽やかな朝を迎えられる
  • デメリット:午後からの日当たりが悪く、冬場は早く暗くなる
西側道路 午後からの日当たりが良好
  • メリット:夕方まで明るく、冬場は暖かさを保ちやすい
  • デメリット:夏場の西日は強く、室温が上がりやすい

日当たりやプライバシーへの影響と、買主のニーズとの関係

日当たりは住環境に直結し、買主のニーズに大きく影響します。南側道路に面した住宅は明るく暖かい環境を提供し、多くの買主に好まれます。一方、北側道路の住宅はプライバシーが保たれやすいものの、日当たりの悪さから敬遠されがちです。東側道路は朝日を取り入れやすく、朝型の生活を好む方に適しています。西側道路は夕方まで明るさを保てるため、午後から活動的になる方に向いています。



方位による売却価格への影響と、適切な価格設定のポイント

前面道路の方位は売却価格にも影響を及ぼします。一般的に、南側道路に面した住宅は需要が高く、価格も高めに設定されます。東側道路や西側道路の場合、南側よりも若干価格が下がる傾向があります。北側道路に面した住宅は日当たりの悪さから、価格が10~20%程度低くなることもあります。適切な価格設定を行うためには、前面道路の方位による日当たりの状況を正確に把握し、買主のニーズを考慮することが重要です。

以上のように、前面道路の方位は住宅の魅力や売却価格に大きく関わってきます。売却を検討する際は、これらの要素を踏まえた戦略的なアプローチが求められます。


前面道路の状況を踏まえた売却戦略

家を売却する際、前面道路の状況は売却価格や売却のしやすさに大きく影響します。ここでは、前面道路の状況を正確に把握し、デメリットを補う改善策や適切な売却価格の設定方法について解説します。

前面道路の状況を正確に把握するための調査方法

まず、前面道路の幅員や種類、接道状況を正確に把握することが重要です。以下の方法で調査を行いましょう。

調査項目 調査方法 注意点
道路の幅員 市区町村の役所で道路台帳を確認 幅員が4m未満の場合、セットバックが必要となる可能性があります。
道路の種類 法務局で公図や登記事項証明書を取得 私道の場合、使用承諾書の有無を確認する必要があります。
接道状況 現地調査と測量士による測量 接道義務(2m以上の接道)を満たしているか確認が必要です。

これらの調査を通じて、前面道路の状況を正確に把握することができます。


前面道路のデメリットを補うための改善策やアピールポイント

前面道路にデメリットがある場合でも、以下の改善策やアピールポイントで売却活動を有利に進めることが可能です。

- セットバックの実施:前面道路の幅員が4m未満の場合、敷地の一部を後退させて道路幅を確保するセットバックを行うことで、建築基準法を満たし、買主の不安を解消できます。 - 私道の使用承諾書の取得:前面道路が私道である場合、所有者から使用承諾書を取得しておくことで、買主が安心して購入できる環境を整えます。 - 接道義務の確認と改善:接道義務を満たしていない場合、隣地所有者と協議し、通行地役権の設定や土地の一部購入などで接道状況を改善することが考えられます。

これらの対策を講じることで、前面道路のデメリットを最小限に抑えることができます。

前面道路の状況を考慮した適切な売却価格の設定方法

前面道路の状況は売却価格に直接影響を及ぼします。以下のポイントを考慮して、適切な価格設定を行いましょう。

- 周辺相場の調査:同じエリア内で前面道路の条件が似ている物件の売却事例を参考に、価格帯を把握します。 - デメリットの価格反映:前面道路の幅員が狭い、私道で使用承諾が得られていないなどのデメリットがある場合、その分を価格に反映させ、買主が納得しやすい価格設定を心がけます。 - 改善策の実施と価格調整:前述の改善策を実施した場合、そのコストを考慮しつつ、物件の魅力が向上した分を価格に反映させます。

これらの方法で、前面道路の状況を踏まえた適切な売却価格を設定することが可能です。

前面道路の状況は、家の売却において重要な要素です。正確な調査と適切な対策、価格設定を行うことで、スムーズな売却を目指しましょう。


まとめ

家の売却を検討する際、前面道路の状況が売却価格や買い手の印象に大きく影響します。道路の幅員や種別、方位など、それぞれの要素には特有のメリット・デメリットが存在し、これを正しく理解し対策を講じることが大切です。前面道路の特徴を正確に調査し、その魅力や改善点を的確に伝えることで、買い手にとって安心感や付加価値となるでしょう。しっかりとした価格設定と的確な情報提供が、納得できる売却へと繋がります。



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