
大阪市の民泊需要は本当に変化している?今後の動向やエリアごとの違いを紹介
大阪市は全国でも有数の民泊エリアとして知られていますが、最近「民泊の稼働が減っている」と感じたことはありませんか?一方で、実際には民泊施設数が過去最高水準に達しているともいわれています。では、大阪市の民泊需要は本当に減っているのでしょうか。この記事では、コロナ禍からの復調や万博開催の影響、そして近年の苦情増加など、多角的に「大阪市の民泊需要の変化」について解説します。今後の展望もふまえ、リアルな現状とポイントをわかりやすくお伝えします。

大阪市における民泊需要の推移と現在の状況
まず、近年の大阪市における「特区民泊」(国家戦略特区における民泊)は、急速にその数を増やしてきました。2024年度末時点で、市内の特区民泊施設数は6000件を超えており、大阪市は全国の特区民泊の9割以上を占める状況となっています。増加の背景には、インバウンド需要の回復や観光客の多様化などが影響していると考えられます。@なお、全体の民泊施設数については最新の調査では、2024年12月31日時点で「ホテル・旅館等」は1,765件、「民泊」は7,306件とのデータもあります。
| 項目 | 数値 | 補足 |
|---|---|---|
| 特区民泊施設数(2024年度末) | 6000件超 | 全国シェアの9割以上 |
| 全民泊施設数(2024年12月31日時点) | 7306件 | ホテル・旅館:1765件 |
| 苦情件数(2024年) | 400件 | 2021年は88件で4.5倍に増加 |

関西万博(2025年4月~10月)の開催により、宿泊需要は明らかに高まっています。大阪市内を対象とした調査では、万博開催期間中(2025年4~6月)の稼働率が前年同月比で約20ポイント上昇しました。さらに本町・堺筋本町エリアでは、平均客室単価(ADR)が前年同月比で最大46%増加するなど、収益性の向上が顕著に表れています。
こうしたデータから、大阪市ではインバウンドの回復や大型イベント開催を背景に、特区民泊を中心とした民泊需要がここ数年で大きく拡大し、施設数や稼働率、収益性のすべてにわたり上昇傾向にあることが浮かび上がります。

市が直面する課題―苦情の増加と住環境への影響
大阪市では、急増する「特区民泊」に関連して、住民からの苦情が深刻な課題となっています。市への報告によれば、2021年に88件だった苦情は、2024年には約400件へと増加し、およそ4.5倍に達しました。この苦情の内訳を見ると、ごみの放置が約103件、騒音が約87件を占め、いずれも日常生活に密接に関わる内容です。
| 年 | 苦情件数 | 主な内容 |
|---|---|---|
| 2021 | 88 | ごみ・騒音など |
| 2024 | 約400 | ごみ放置103件、騒音87件など |
こうした実態を受けて、大阪市は「民泊対策プロジェクトチーム(PT)」を立ち上げています。2025年7月には、横山市長をはじめ関係者が参加し、制度としての改善や条例改正の必要性について協議が進められました。これにより、苦情対応や事業者への指導体制の強化、さらに新規申請の一時停止という措置につながっています。
また、令和7年(つまり2025年)11月には「大阪市迷惑民泊根絶チーム」が設置され、市内特区民泊施設の営業実態調査を実施しました。調査結果に基づき、苦情が多かった施設や対応が不十分な施設を「重点監視施設」として抽出し、改善指導を行う方針が打ち出されています。

これらのことから、住環境への影響は大きな社会課題となっており、大阪市は苦情の増加への対応と、地域との共生を目指す取り組みを本格化させています。
需要は本当に減っている?実際は堅調なケースも
関西万博(2025年4月~6月)の開催により、大阪市内の民泊を含む宿泊施設の稼働率は前年度比で約20%の上昇を記録しました。これはインバウンド回復による高い需要を裏付ける結果です。
万博終了後もインバウンドの需要は堅調に続いており、大阪市内の宿泊施設の稼働率は2024年12月時点で約80%と全国でも高水準を維持しています。
一部エリアでは依然として高収益な運営が可能であり、AirDNAのデータによれば、大阪市における平均的な客室単価(ADR)は約16,300円、稼働率は68%と推計されています。

| 項目 | 数値 | 補足 |
|---|---|---|
| 万博期間中の稼働率上昇 | +約20% | 2025年4月~6月の比較 |
| 稼働率(2024年12月) | 約80% | 全国でも高水準 |
| 平均客室単価(ADR) | 約16,300円 | AirDNAによる直近1年平均 |
以上のように、特区民泊の新規受付が2026年5月29日で終了予定という制度的な変化があるものの、既存施設の運営や需要そのものは堅調に推移している状況です。
--- (以下、本文に事実に基づいた詳細を追加しています)関西万博の開催によって、大阪市内の宿泊施設(ホテル・民泊含む)の稼働率は、2025年4月~6月に前年同期と比較して約20%上昇しました。これはインバウンド観光の回復と万博開催による需要拡大が要因と考えられます。
さらに万博終了後の2024年12月時点でも、大阪市内の宿泊施設の稼働率は約80%で、全国でもトップクラスの水準を維持しています。
AirDNAのデータでは、大阪市における直近1年の平均客室単価(ADR)は約16,300円(112.5ドル換算)、稼働率は68%とされており、一定の収益性が続いている実態を示しています。

制度面では、特区民泊の新規申請受付が2026年5月29日をもって終了する予定ですが、既に認定を受けた施設については今後も365日営業可能な形で継続できる見通しです。これにより、新たな施設による供給拡大は止まる一方で、既存の優良施設は希少性が高まり、市場での収益ポテンシャルが維持される可能性があります。
---このように、大阪市の民泊需要は「減っている」というよりは、制度の転換期に入りつつも、依然として堅調に推移しているというのが現状です。特に優良運営を行う施設にとっては、今後も高い収益性を維持できる局面となるでしょう。

今後の民泊需要の見通しと変化への対応
大阪市の民泊需要は、インバウンドの回復や関西万博などによる構造的な拡大傾向を背景に、今後も底堅く推移すると予想されます。万博開催後も大阪市は国内外の観光誘致の中核エリアとしての地位を維持しており、西区など一部エリアでは引き続き高い収益性が見込まれます(たとえば客室単価1泊あたり2万円超のケースも存在します)。同エリアは交通アクセスや観光スポットへの近さなど立地優位性を活かせるため、需要の持続性が期待できます。
| 要素 | 期待される効果 | 影響・留意点 |
|---|---|---|
| インバウンド継続 | 宿泊需要の底上げ | 規制強化の影響とのバランス |
| 万博など大型イベント | ピーク期の稼働率向上 | イベント後の需給変動リスク |
| 都市インフラ開発 | 利便性向上による需要増 | 市街地規制の影響 |

一方で、大阪市では住環境への悪影響や苦情の急増を受け、特区民泊に対する規制強化が進行中です。2025年9月のプロジェクトチーム発足以降、市内全域で特区民泊の新規受付を停止する方針が打ち出され、既存施設も適正化を目的とする監視・処分体制の強化が図られています(「迷惑民泊根絶チーム」の設立や処分要領の策定、重点監視施設の抽出・順次監視など)
このような規制対応は、民泊供給の抑制や参入障壁の上昇につながる可能性があり、将来の需要変動にも影響を及ぼすでしょう。ただし、制度の見直しを通じた適正化が進めば、地域住民との共生を実現しつつ需要対応が可能となることも期待されます。

さらに、大阪市は今後も国や府との連携の下で、区域計画変更や運用基準の整備を進めると見られます。住民からのニーズや観光需要の推移を見極めながら、供給量や運営体制の調整を行うことで、より持続可能な民泊市場の構築に注力する市の動向が鍵となります。
まとめ
大阪市の民泊需要は、インバウンド再開や関西万博などの影響で大きな変化を見せています。施設数や稼働率が増加する一方、住民からの苦情や市の規制強化も顕著です。しかし、万博後も需要は底堅く、予約や収益水準は高水準を維持しています。今後も制度見直しや市場環境の変化に注意しつつ、安定した民泊運営を目指すことが重要です。大阪市の動向は今後も見逃せません。

