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大阪で長屋の解体を検討中の方へ!注意点や事前準備のコツを解説

不動産情報・知識・アドバイス

松本 親幸

筆者 松本 親幸

不動産キャリア27年

㈱フォローウィンドコーポレーションの
別称:大阪空き家・長屋買取センターです!

個人的には今までの不動産業経歴において
1500件超のお取引に関わっております。

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大阪で目立つ“長屋”の解体には、想像以上に注意すべきポイントが多くあります。長屋のように建物が壁や屋根を隣家と共有する場合、一棟ずつ切り離す作業には特有のリスクやトラブルがつきものです。いざ解体を進めようとした時に「どんな準備が必要?」「補修の範囲や費用は?」と悩む方も多いのではないでしょうか。この記事では、大阪で実際に長屋解体に携わってきたプロの目線から、安全にスムーズに解体するための注意点や、トラブルを避けるために知っておくべきポイントをわかりやすく解説します。



長屋解体の基本的な理解と大阪ならではの背景

大阪には木造長屋が多く見られます。これらは一般に、隣戸と壁や屋根を共有する構造のため、解体時には構造上の注意が不可欠です。長屋の構造では、壁や屋根が連結されていることから、一部を解体すると建物全体の安定性に影響が及ぶ場合があります。

たとえば、大阪市阿倍野区の事例では、まず屋根を一枚ずつ手作業で外し、隣家への影響を避けつつ切り離し工程を手解体で行ったうえで重機による本格的な解体に移行しています。切り離し段階では雨養生を施し、側面へのダメージ対策を並行して実施しています。


また大阪市では、市街地の密集解消や防災性向上の観点から、長屋の一戸ごとの部分的解体にも利用できる補助制度を設けています。密集住宅市街地における不燃化促進の一環として、一棟全体ではなく一戸ずつの解体にも対応可能な補助があるため、これを活用することで費用負担を軽減できる場合があります。

項目内容ポイント
屋根の手解体瓦などを一枚ずつ剥がす隣家への影響軽減・安全確保
切り離し手解体工具で側面の共有部分を切断重機使用不可・雨養生併実施
部分解体補助制度一戸ごとの解体費用に補助費用負担の軽減・制度活用

こうした大阪ならではの構造的留意点と制度的背景を踏まえたうえで、安全かつ効率的な解体計画を検討することが重要です。


切り離し解体の具体的プロセスと必要な配慮

長屋の切り離し解体においては、屋根や壁の手作業による切り離しから始まり、隣家への配慮を重ねながら進行します。以下に大阪市内事例を参考に、ステップごとの流れをご紹介します。

工程 作業内容 配慮・注意点
1. 足場設置 正面のみ足場を設置(側面は隣家に接しており設置不可) 隣家側への工事配慮、安全対策が基本
2. 屋根手解体 瓦などを一枚ずつ慎重に手で剥がす 切り離し前に屋根撤去を行わないと落下事故のリスクあり
3. 手作業による切り離し・防水養生 工具を使って隣家と接する壁を手作業で解体、同時に雨養生 重機使用は不可、雨による浸水防止の養生が必須

実際、大阪市阿倍野区での木造長屋解体では、まず正面にのみ足場を設け、屋根瓦を手作業で剥がした後、隣家と接する壁部分を工具で手作業によって慎重に切り離しました。その際、防水処理が施されていない壁が露出することもあるため、雨養生を同時に行った事例があります。


切り離し後は、側面にも足場を組み、養生シートによって粉塵や破片が隣家に飛散しないよう囲い、その後、重機による本格的な解体に移行します。そのうえで、基礎部分の解体、整地、そして隣家側の壁補修のための足場設置までが一連の流れです。さらに、残す建物側の補修は「現状と同程度」の仕上がりを基準とし、これを超える性能を求められた場合はその増加分の費用は残す側で負担するのが一般的です。

こうした手順により、隣家への物理的な影響を抑えつつ安全かつ着実に工事を進めることが可能です。大阪市内の複雑な市街地状況に対応したノウハウが活かされています。


法的・制度的な注意事項と手続きのポイント

長屋の解体を進める際には、まず「区分所有法」に基づく手続きが必要です。長屋は柱や梁といった構造上の部分が共用部分とみなされるため、切り離しなどの工事には区分所有者の4分の3以上の同意が求められます。特に、専有部分の使用に重大な影響がある場合には、当該住戸の所有者の承諾も必要です。合意を得ることが難しい場合には、弁護士など専門家の協力を得ることもご検討ください。


大阪市では、密集住宅市街地における長屋の部分的解体にも対応する補助制度を導入しています。長屋一棟だけでなく、一戸ごとの部分的な取り壊しにも補助対象となる場合があります。また、跡地を「防災空地」として活用し解体する場合には、解体費だけでなく整地費も含めて補助が受けられます。そのうえで、申請には関係者間の同意が必須となりますので、制度利用を検討する際には事前の合意形成が重要です。


制度を活用するにあたっては、大阪市の「住まい情報センター」が相談窓口として有用です。窓口や電話で相談すれば、解体や補助制度に関する必要な知識や情報を提供してもらえます。また、相談内容に応じて法律相談や建築・リフォームに関する専門家や窓口も紹介されるため、スムーズな手続きと着実な準備に役立ちます。

以下に、大阪市の補助制度と相談支援の概要をまとめた表をご紹介します。

項目内容ポイント
区分所有法上の同意共用部分の解体には所有者の4分の3以上の合意が必要早期に関係者と調整を進めることが必須
大阪市の補助制度一戸ごとの部分解体や防災空地利用で補助対象跡地利用の計画次第で補助内容が変わる
相談支援住まい情報センターで制度・手続き・専門家を案内自己判断が難しい場合には活用を推奨


解体工事を依頼するにあたっての選び方と心構え

長屋の解体を依頼する際は、まず「許可を保有し、長屋の解体実績が豊富な業者」を選ぶことが重要です。解体業には、国や自治体が定める許可(解体工事業登録または建設業許可)が必要であり、これを持たない業者は法律違反の可能性があります。また、長屋特有の隣戸との切り離しや構造への配慮が必要なため、専門的な技術と経験が不可欠です。これらの観点を満たす業者は、安心して依頼できる候補となります。


次に、「見積書の詳細な内訳と補修・仕上がりについて事前に交渉し、合意する」ことが欠かせません。複数社から見積もりを取り、足場設置費、手作業解体費、重機使用料、廃材処分費、補修工事費などが細かく記載されているかを確認しましょう。追加費用の発生条件や補修範囲(現状程度の補修が基準となること)について合意を得ておくことで、後からのトラブルを防げます。

最後に、近隣配慮やコミュニケーションの徹底と、万一のトラブルへの備えも重要です。説明会などを通じて工事内容やスケジュールを周囲に伝え、理解を得ることがトラブル回避に効果的です。さらに、工事中の進捗や補修完了について報告・画像提供する業者であれば、安心感が高まります。

選び方のポイント具体例効果
許可・実績解体業許可+長屋解体経験豊富安心・トラブル防止
見積内容の明確さ工事項目ごとに詳細に記載費用透明・追加請求予防
近隣対応・報告説明会・現場報告・画像共有信頼構築・安心感提供


まとめ

大阪で長屋の解体を検討する際は、木造特有の構造や隣家との壁・屋根の共有部分に注意が必要です。解体工事は部分切り離しによる手作業や補修、同意取得など、通常の戸建てとは異なる配慮が求められます。法的な手続きや大阪独自の補助制度の活用もしっかりと確認しましょう。また、経験豊富な業者選びや、近隣住民との丁寧なコミュニケーションも円滑な解体には欠かせません。慎重な準備と信頼できるパートナーとともに、安心できる解体を目指しましょう。


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